心に響く脚本のセリフを生み出すために必要なものは?
更新日:2022年2月3日
映画でもドラマでも、脚本家が作品を執筆する上でもっとも深く考えるのは「セリフ」です。
セリフが未熟だと、主人公の魅力を伝えることができません。
また、脚本上のセリフは日常会話と同じではないので、作品の中でよりストーリーや登場人物を引き立てるセリフ作りが必要です。
こちらでは、脚本におけるセリフの役割や、脚本を書く上でのポイントについて詳しく解説しています。
また、プロの脚本家がセリフ作りで意識していることについてもお話を伺いましたので、こちらもぜひ参考にしてください。
【目次】
1. 脚本におけるセリフの役割
2. 上手な脚本のセリフとは
3. 脚本を上手に書くポイント
4. プロの脚本家のセリフの作り方
5. 脚本制作をするならPTA Inc.にご相談
6. 生きたセリフを書く脚本家が揃っています!
1. 脚本におけるセリフの役割
脚本を書く上で、セリフは非常に重要な役割を果たします。
観る側は、映像はもちろんセリフが直接心に刺さりますので、セリフの良し悪しで脚本やストーリーの大半が左右されるといっても過言ではありません。
脚本におけるセリフの役割は、大きく分けて以下の2点です。
・登場人物の性格を表現する
・ストーリーをより面白くする
セリフを考えるときは、これらの効果がより引き出されるようなセリフを考えることで、面白い脚本づくりに役立ちます。
登場人物の性格を表現する
セリフは登場人物が発する言葉なので、セリフによって登場人物の人柄を表現できます。
シニカルなセリフを放つ登場人物であればシニカルな人柄が、温かみのあるセリフを放つ登場人物であればやさしい人柄であることを、視聴者が把握できます。
登場人物の性格に加えて、登場人物がどんな立場の人なのかを表現するのも、セリフの役割です。
例えば、女性が自分のことを「わたし」というのと、「わたくし」というのと、「あたい」というケースを考えると、それぞれがどんな立場の人なのかがわかりやすいです。
大手企業のサラリーマンだったり、下町の商売人だったり、旅館の仲居だったり、セリフでその人の職業や立場をよりわかりやすく表現できます。
ストーリーをより面白くする
セリフによって、ストーリーが面白くもなり、つまらなくもなります。
脚本家は脚本を書く上で、ストーリーはもちろんのこと「いかによいセリフを考えるか」を常に考えているはずです。
脚本の評論会でも、セリフに注目する人が多いと思います。
セリフは、ジャンルによっていろいろな意味をもちます。
感情を伝え合うために使われるセリフもあれば、ミステリーで犯行の流れを説明する際に使われるセリフもあり、それぞれにどのようなセリフが適しているかは変わります。
ストーリーを進展させるためのセリフ、作品を盛り上げるためのセリフ、いずれもストーリーをより面白くするためのセリフです。
2. 上手な脚本のセリフとは
脚本に登場するセリフは、リアルタイムで話す会話の言葉とは似て非なるものです。
かといって、「映像上の世界」と割り切って考えてしまうといいセリフは生まれません。
リアルなセリフと脚本上のセリフ、どちらも絶妙なバランスが取れていることが、いいセリフが生まれる重要な要素になります。
実際の日常会話と同じに考えない
なぜ脚本と実際の会話が違うのか?
それは、「あらかじめ考えたセリフか、そうでないか」という違いがあるからです。
日常会話では、相手がどんな言葉を投げかけてくるか予想できないことが多いので、言葉を出されてから返事を考えて自分の言葉を発します。
けれど、脚本では当然ながら会話のラリーをあらかじめ考えてセリフを入れていくので、リアルな会話とまったく同じにはならないのです。
実際に、ドラマとまったく同じセリフを日常会話で使ってみたら、必ず違和感を覚えます。
けれどリアルを追求したセリフを考える
では、セリフは脚本用に考えるべきなのか?というと、そういうわけでもありません。
リアルさがないセリフでは、視聴者の心に刺さらないからです。
言い回しは微妙に実際の会話と違うけれど、リアルの場面でも通用するセリフ…というと難しいですが、脚本とリアル両方のバランスを意識することで、視聴者に刺さるセリフづくりがわかってくると思います。
3. 脚本を上手に書くポイント
では、そんな視聴者に刺さるセリフを書くにはどうすればいいのか?
登場人物の性格を深く理解して想像する
小説やドラマ・映画などのセリフを参考にする
リアルなセリフを研究する
これら3つのポイントに焦点を当てて考えてみましょう。
登場人物の性格を深く理解して、想像する
必ず抑えておきたいのは、登場人物の性格を深く理解することです。
優しいけれど照れ屋なツンデレと、気の優しい力持ちとでは、同じ「優しい人」でもセリフはまったく違ってきます。
特に、学園ものなど登場人物の多いドラマになると、登場人物に合わせてセリフを使い分けることで、個性を演出します。
セリフの役割は登場人物の性格を表すものですから、それぞれの性格がよくわかるセリフを書かなければなりません。
実際に周りにいる人たちの性格などを想像すると、考えやすいのではないでしょうか。
小説やドラマ、映画などのセリフを参考にする
セリフの書き方をはじめ、どんな表現があるかということは、既存の小説やドラマ、映画などがとても参考になります。
映像の場合は特に、作品の中で印象に残る部分はセリフであることが多いです。
それぞれの作品にどんなセリフが使われているのかを知ることで、作品全体の魅力がわかってきます。
そして、実際の会話で使用する言い回しではないけれど、視聴者の心に刺さるセリフをたくさん知ることができるでしょう。
作品のジャンルによって、セリフの表現方法は変わってきます。
自分が書こうとしているジャンル以外にも、いろいろな作品を見たり読んだりしてみるとよいと思います。
リアルなセリフを研究する
より生きたセリフを書くためには、実際に人々はどんな表現で言葉を発しているかを深く掘り下げ、脚本のセリフに活かすことが有効です。
リアルなセリフを、そのまま脚本に起こすと不自然になることはありますが、やはりリアルなセリフの中で、どんなセリフが心に刺さったかを理解していないと、脚本でもよいセリフを書けません。
自分と誰かの会話を振り返るのはもちろん、いろいろなシーンで聞き耳を立てて、どんな人がどんな言葉で感情や状況を表現しているのか、たくさん聞いて深く研究してください。
4. プロの脚本家のセリフの作り方
①永野 たかひろ氏
自分の場合は一からセリフを生み出すのがとても苦手なので、まずはいわゆる自分が好きなテンプレと言われるセリフを思いつくだけ考えてみます。
「テンプレ」とか、「ベタなセリフ」とかを最初に考えた方はすごいな、天才だなと思います。
そんな過去の天才たちのセリフを拝借させて頂き、物語の中で言わせたいキャラクターと自分なりに掛け合わせてみます。
化学反応待ちをしつつ、そこから聞いた人の印象に残る様な引っかかりのあるセリフにできるように考えたりします。
あとはそれを口に出して読んでみたりしてタイミングとか言い方なんかを調整したりしなかったりします。
セリフは、一番難しいです。
②楢原 拓氏
私はどちらかというと舞台寄りの脚本家なので、舞台の脚本(戯曲)について、とりわけここでは会話劇について書きます。
セリフを書く時に最も意識するのは、いかに説明っぽくならずに必要な情報を観客に自然な形で届けるか、ということです。
例えば、登場人物が2人いるとします。A子とB子。場所は駅の改札前です。
2人はドリカムのライブに行くために待ち合わせをしていました。もう一人C子も来る予定ですが、彼女が時間になっても現れません。C子は3人分のチケットを持っているので、彼女が来ないと入場できません。
さて、この状況・関係をどのようにして観客に理解してもらうか。しかも自然な形で、説明っぽくならないように。ここに脚本家である私は心血を注ぎます。
おそらく初心者は、「C子来ないね。ドリカムのライブに間に合わないじゃん! C子がチケット持ってるのに……」と書いてしまうところですが、「ドリカムのライブ」「C子がチケット持ってる」というのがすでに説明気味です。
A子とB子にとって、それらはすでに共有された情報ですから、そんなことをわざわざ言葉にする必要はありません。
何気ないやりとりの中で、さり気なく、「ああ、この二人はサザンのライブに行くのか」「チケット持ってる人が来てないんだな」と観客に想像させることが大事です。
そういう意味で、脚本(戯曲)は情報伝達の芸術であるとも言えます。
最小限の情報で観客の想像力に働きかけながら、観客自身で情報のピースを組み立てて完成してもらう。
そうすることで観客の興味は持続し、うまく魅了することができると思います。
そんなことを考えながらセリフを紡いでいます。
③鈴森 ゆみ氏
原作がある作品のオリジナル部分を書くときに「そのセリフはこのキャラは言わないと思う」という指摘を頂いた事がありました。
自分の作品であっても原作がある作品であっても、キャラクターをきちんと把握することが大事で、同時にそれがとても難しい事だと思います。
コンクールに出す作品を書いている時は、好きな脚本家さんのシナリオを見ながら模写をするという事をしていました。
聞いているだけではわからない台詞の上手さやポイントも、模写する事によって気づく事もあるかと思います。
また、リズムの良いセリフは読んでいても楽しいので、口に出してみて引っかかるところを見つけ出したりしています。
教室に通っている時に言われた事で大切にしている事は、登場人物の名前を隠して読んでも誰の台詞かわかるようにする…という事です。
キャラクターが固まっていないと、どの台詞も同じように聞こえたり、面白みがなかったり。
自分一人で書いている時はストーリーを書く事に精一杯で他の部分に頭が回らない事もありますが、周りの人から頂いたアドバイスを色々実践して、自分にしか書けない台詞を身に着けていきたいと思っています。
5. 脚本制作をするなら株式会社ピタにご相談
弊社「株式会社ピタ」には、実績豊富でユーザーの心を打つ脚本を書く脚本家が多数在籍しています。
さまざまな得意ジャンルをもつ脚本家たちなので、必ずニーズに応じた脚本に仕上げますので、ぜひご入用の際にはお声がけください。
実績豊富で、スピーディに対応
弊社に所属する脚本家たちは、皆さまざまなジャンルの実績を積んだプロばかりです。
脚本家として多くの作品を手掛けてきているのはもちろん、役者や演出、美術など、これまでに培ったさまざまな経験を脚本に活かすことができ、一歩踏み出たストーリーを作ります。
そして、スピード感も弊社の脚本家たちは自信を持って対応させていただきます。
必ず納期を守って作業いたしますし、急な変更や追加作業も迅速に対応、撮影が遅れてしまうような書き方はいたしません。
多種多様で人柄の良い脚本家
弊社に所属する脚本家は、それぞれに得意ジャンルと個性を持っています。
誰も真似できないストーリー作りを実践しているほか、コミュニケーション能力が高く執筆から納品、撮影まで円滑に進められる人柄のよさも魅力のひとつです。
中には、一般企業での社会人経験を経て優秀な脚本家として活躍している者もいます。
一般常識をしっかり習得した、安心して仕事を任せられるスタッフが揃っているのが自慢です。
6. 生きたセリフを書く脚本家が揃っています!
脚本の要ともいえる「セリフ」。
生きたセリフを書く上で、必要な要素についてお話いたしました。
ここでご紹介した、プロのセリフの書き方もぜひご参考いただきながらセリフづくりを実践していただけたらと思います。
生きたセリフを書く脚本家をお探しであれば、ぜひお気軽に弊社へお声がけください。
脚本の質はもちろん、スピードやコミュニケーションにおいても自信をもって任せられる脚本家が揃っております。
費用についてもご相談いただければ、最善の提案させていただきます。
脚本家だけでなく、演出家や放送作家も在籍しており、チームでの作品作りも可能です。
まずはお問い合わせくださいませ。
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