ブランデッドムービーとは?自社の魅力を伝えるポイントを解説
YouTubeに代表するように、動画コンテンツが手軽に楽しめるようになりました。
最近は「ブランデッドムービー」を配信する企業が増え、動画コンテンツで自社の魅力をより多くの人に伝えようという動きも広まっています。
こちらでは、「ブランデッドムービーとは何か」というところから、ブランデッドムービーのメリットや、より自社の魅力を伝えられる動画作りまで、幅広く解説しています。
ブランデッドムービーの制作を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
【目次】
1.ブランデッドムービーとは
2.ブランデッドムービーのメリット
3.ブランデッドムービー制作の重要ポイント
4.ブランデッドムービーの事例
5.ブランデッドムービーで自社からのメッセージを伝えよう
1. ブランデッドムービーとは
ブランデッドムービーは、その名の通り企業や商品のブランド力を向上させるために作られ、配信されている動画コンテンツです。
企業や商品が伝えたいことを、ストーリー仕立ての映像に仕上げます。
必ずしもドラマ仕立てでなければならないということではないので、企業によってさまざまな表現方法で動画を制作していますが、ストーリー性の強い動画であるという点は共通しています。
ブランデッドムービーは、その動画を通して自社のファンになってもらうことが目的です。
ブランデットムービーが注目を浴びる理由
ブランデッドムービーが注目されている理由として、以下の2点が挙げられます。
ユーザーから信用を得ることの重要性が顕著になった
コロナ渦も相成って、最近はオンラインで商品を購入・利用するユーザーが増えています。
オンラインで手軽に購入できるけれど、実際に商品を手にとって確認することができないため、企業や商品に対する「信用」が重要となってきています。
また、信用に加えて「共感」を得ることができる点も、ブランデッドムービーが注目を浴びている理由のひとつです。
広告動画は、商品のメリットをPRすることが中心ですが、ブランデッドムービーは自社が伝えたいメッセージを動画にします。
最終的には自社の利益向上が目的であっても、動画内では直接的な販売に関する訴求がないため、共感を得やすいのです。
動画広告のリスクを回避できる
動画広告では、主にユーザーが別の動画を見ている最中に、突然広告映像が表示されます。
予告なしで表示される動画広告が、ユーザーのストレスとなり、企業や商品のイメージを下げてしまう可能性があるのです。
対してブランデッドムービーは、ユーザー側から動画を視聴するので、イメージダウンとなる要因がありません。
ブランデットムービーと動画広告の違い
ブランデッドムービーは、ブランディングをメインに配信される動画であるのに対し、動画広告は購入やサービスの認知を促すための動画であるという違いがあります。
そのため、動画内に入るナレーションも、広告動画ではより商品のよさを伝えるために明るく、元気なナレーションが多いです。
対してブランデッドムービーでは、ユーザーからの共感を得るために落ち着いたナレーションを入れて制作されます。
また、動画広告よりも、ブランデッドムービーのほうがメッセージ性が高いという点も、それぞれの違いのひとつです。
先にも触れていますが、動画広告は別の動画再生中に突然配信されます。
しかしブランデッドムービーは、広告のように無理やり見せるのではなく、ユーザーに自ら見てもらえるように配信されているという点も、大きな違いだといえます。
2. ブランデッドムービーのメリット
ブランデッドムービーのメリットは、以下の3点です。
SNSとの相性がよい
ブランドに対する関心を高められる
長期的なPRが可能
SNS との相性が良く、拡散の可能性が高い
ブランデッドムービーはSNSとの相性がよく、SNSを通して拡散することができます。
動画コンテンツ配信サイトでも、ユーザーが気に入った動画があれば、SNSで拡散できるようにボタンがついていることがほとんどです。
こうした配信サイトに自社のブランデッドムービーをアップロードすれば、ユーザーから拡散してもらえる可能性があります。
SNSが普及するほど、ブランデッドムービーを多くの人に知ってもらうことができるので、今の時代にとても適したツールです。
ブランドに関する関心と共感を高められる
ブランデッドムービーは、大きく分けると広告の分類に入りますが、ユーザー視点で考えた場合、広告ではなくエンターテインメントとしてとらえてもらえます。
メッセージを散りばめつつ、より魅力的な動画を配信することで、ユーザーから映像全体に興味をもってもらえるのです。
これにより、広告とは別のアプローチからのブランディングが可能となります。
例えば、最近「サスティナブル」という言葉を多く見聞きするかと思います。
「継続的」や「維持できる」という意味の言葉なのですが、環境に配慮した製品やサービスがサスティナブルと呼ばれることが多いです。
地球環境を守るための新しい考え方で、多くの著名人も関心を高めています。
サスティナブルを経営理念に掲げている企業も多いと思われ、その理念をより多くのユーザーに知ってもらいたいはず。
ブランデッドムービーを通して自社のサスティナブルに関する理念やメッセージを伝えることで、よりユーザーから関心や共感を得ることができます。
長期的なPRが可能
広告動画のように、「商品を買ってもらったら終わり」ではなく、長期的に自社の魅力をPRができる点も、ブランデッドムービーのメリットです。
企業理念は変わるものではないので、一度制作したブランデッドムービーは長期間配信できます。
その間多くの人に見てもらい、共感や好感を得ることができれば、より長期的なPRより効果が期待できるのです。
一度信頼を得ることができれば、商品を購入してもらった後も「新製品が出たらまた買おうという」気持ちになってもらえます。
ブランデッドムービーを軸に、幅広い販促効果を得ることも可能です。
ブランデッドムービーは、「1回制作したら終わり」ということはありません。
自社が伝えたいメッセージを、別の表現方法で伝えたいと、「◯◯編」として複数展開している企業もあります。
このように、ブランデッドムービーをリニューアルすれば、さらに長期的なPRを継続できます。
3. ブランデッドムービー制作の重要ポイント
ブランデッドムービーを制作する上で、必ず抑えておきたい重要ポイントを以下に解説します。
目的の明確化
ブランデッドムービーと会社紹介動画は、似て非なるものです。
単なる会社紹介動画にしないためには、「何をどのようにブランディングするのか」という目的を明確にしなければなりません。
ユーザーに抱いてほしい自社のイメージを明確にすることで、ブランデッドムービーの目的をクリアする映像を作ることができます。
「最終的に自社の売上を上げたい」という目的があるとしても、ブランデッドムービーは動画広告とは違う視点で制作する動画です。
売上向上の意識が先立ってしまうと、商品のCM動画のように仕上がってしまう可能性があります。
ブランデッドムービーは、企業理念についてユーザーに理解してもらうための動画になりますので、この視点から制作軸がぶれないように気をつけましょう。
合わせて、ブランデッドムービー内では商品の訴求など、動画広告で盛り込むべき内容を一切排除するということも、制作の上で重要なポイントです。
自社が届けたいメッセージに対して共感を得ることが目的なので、そこで利益を求める内容が入ってしまうと、共感を得にくくなってしまいます。
届けたいユーザー(ペルソナ)を設定する
「ペルソナ」は、サービスや商品に対するユーザー像を指します。
実際に存在する人物ととらえて、性別や年齢、職業、趣味などの情報を細かく設定します。
ペルソナはマーケティングで幅広く活用されていますが、ブランデッドムービーだけでなく、映画や小説など、作品を作る上で欠かせない概念です。
ブランデッドムービーはストーリー仕立てになることが多く、ストーリーを作るなら「誰にこのストーリーを伝えたいか」によって、その内容は大きく変わってきます。
よりユーザーの心を掴むブランデッドムービーを作る上で、動画を誰に見てほしいのか、メッセージをどんな人に見て伝えたいのかということはとても重要です。
ここで、「ではブランデッドムービーを通してユーザーに何を伝えればいいのか?」ということも考える必要があります。
ブランデッドムービーでは、自社の理念を伝える企業もありますし、主力商品の開発ストーリーや、商品への思いを伝えている動画もあります。
この、「何を伝えたいか」という点についても、ペルソナを細かく設定することで明確になってきますので、ぜひ深く掘り下げてみましょう。
4. ブランデッドムービーの事例
ブランデッドムービーは、多くの企業がすでに配信しています。
自社ならではの映像作品の中に、メッセージを盛り込んでいるブランデッドムービーもあれば、ドラマ仕立てで制作している動画もあるなど、その内容は実に多様です。
以下に、代表的なブランデッドムービーをご紹介します。
事例①ソフトバンク
「社会を、まるごと良くしていこう。」というキャッチコピーとともに配信されているソフトバンクのブランデッドムービー。
こちらは、企業の理念をもとに将来的に成し遂げたいビジョンを、ステークホルダー(企業に対する利害関係者)に伝えるために制作されました。
こちらのブランデッドムービーを1番最初に披露したのは株主総会だったということもあり、企業の未来像をより深く伝えられる内容に仕上がっています。
動画の長さは2分45秒で、テレビCMよりもはるかに長いです。
その分企業がステークホルダーに対して伝えたいことを、十分に盛り込めました。ソフトバンクというと、携帯電話のイメージが強いですが、「デジタルを活用してよりよい社会を作ろうとしている会社である」ということをこのブランデッドムービーで伝えています。
事例②宮島醤油
宮島醤油のブランデッドムービーは、「美味しいは、オモイをつなぐ」をコンセプトに制作されました。
5分14秒というかなり長い動画ですが、本格的なドラマ仕立てとなっていて、飽きることなく最後まで視聴できます。
紹介している動画では、祖母の料理をメインにストーリーが繰り広げられますが、宮島醤油ではほかにも姉妹編などさまざまなブランデッドムービーを制作・配信中です。
企業が伝えたいことは、「食を通じて、人と人をつなげ、人々の幸せを支えたい」という思い。
山あり谷ありのストーリーではありませんが、食の大切さと食を通じてつながる愛情が、視聴者側にもしっかり伝わってきます。
ちなみにこれらのブランデッドムービーは、経済産業省が提供する「コンテンツグローバル需要創出促進・基盤整備事業費補助金(J-LOD補助金)」を活用して作られたそうです。
事例③ゴリラクリニック
男性向け美容クリニック「ゴリラクリニック」のブランデッドムービーでは、クリニックで働くスタッフの姿を映しながら、クリニックの理念である「ゴリラフィロソフィー」を表現しています。
ゴリラフィロソフィーとは、「男性美容という文化を創ることを使命に、
徹底した男性志向を追求する」こと。
スタッフが男性に美しさを提供するために、日夜努力している様子が伝わってきます。
事例④佐賀県上峰町
佐賀県上峰町のブランデッドムービーでは、同町に引っ越してきた親子を通して、町の温かさを伝えています。
撮影はもちろんすべて上峰町内で行われており、短編ならではの魅力が詰まった動画です。
4分17秒と、ブランデッドムービーの中でも長めの動画ですが、ドラマ仕立てになっているので楽しく視聴できます。
後半にふるさと納税についての解説が入ります。
自然な流れで納税を促す目的も果たしているほか、同町に寄付をしてくれた人たちへのお礼の意味も含んでいるようです。
ちなみにこちらのブランデッドムービーは、映画「ハローグッバイ」や「望郷」などを手掛けた、映画監督菊地健雄氏が監修しています。
事例⑤株式会社ハル
「株式会社ハル」はブランディング会社で、企業のブランディングをはじめ、ブランデッドムービーの制作にも携わっています。
自社のブランデッドムービーでは、「花が生まれるとき、ハルが咲く」をテーマに制作しているとのこと。
5分39秒と長めの動画ですが、こちらもドラマ仕立てで飽きることなく視聴できます。
ブランデッドムービーを通して、自社の活動を伝えている動画です。
5. ブランデッドムービーで自社からのメッセージを伝えよう
ブランデッドムービーは、CMよりも長い動画で伝えたいメッセージをしっかり伝えることができます。
また自由な表現で自社の個性をアピールすることができる、ブランディングの確率に有益なツールです。
ブランデッドムービーの最終的な目的は、「ファンを作る」ことであるともいえます。
では、自社のファンを増やすためのブランデッドムービーをどのように作ればいいのか?
弊社Pitaでは、ブランデッドムービー制作のサポートも承っております。
ブランデッドムービーをはじめ、数々の映像作品を手掛けた監督や構成作家が多数在籍しておりますので、御社のイメージに沿った動画制作が可能です。
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